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たまご

2010.07.21.00:34

ようやく朝の散歩を再開した。

「何しろ中性脂肪がちょっと多いです、やっぱり歩くのがいいですよ。」 との医師の忠告。
副住職家族と同居する前は門を開けてから散歩というパターンだったが、最近は副住職が門をあけて朝のお掃除もやっているので、だらだらしていたのだが気を取り直して始めた。

その日は三田通りから芝公園あたりを歩いて、帰りにスーパーに寄った。
そこは24時間営業で、しかも日曜日の朝8時から朝市と称して野菜果物の安売りなのだ。

そんなに買うものはないけど住職の好きなフランスパンと牛乳を買って慶応大学の前をあるいていると、私の前を同じスーパーの袋を3つも提げて重そうに歩いているおばさんがいる。

そうそう前に自分も安いと思って買いすぎて手のひらに下げるところが食い込んで往生したことがあったなあ、などと思っていると、彼女が突然私に話しかけてきた。

もちろん一度も見たこともない人で、共通点は同じ朝市によったらしいという事だけだ。

「奥さんこれもらってくれない」と差し出したのはパック入りの卵だ。
突然のことで「せっかくお買いになったんでしょう」
「実は今、朝市で買い物をしたんだけど、混んでいるレジで前の人がお金が足りなさそうで時間がかかりそうでレジの人に文句を言われていたから面倒になって百円出してあげたら、その人が悪いからといって卵を私によこしたのよ」
「いえいえ、ご自分で召し上がったらいいのに」
「自分でも卵を買ったし、家族も少ないからいいのよ」
「悪いから、いくらでしたか、お払いしますよ」
「いいのよ、私が頼んでもらってもらうんだから」

そんな押し問答の後で結局私は卵をもらって家に帰った。

卵をもらったのも嬉しいが、そんな会話が東京の真ん中で成立したことがなんだか、ほのぼのした気分にさせてくれた。

彼女も私を見て同類項の人種だと思ったのかも知れない。
ハイヒールを履いてスーツ姿の人にはきっと卵を勧めないと思う。
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