春のにおい
連日の晴天続きで公園の土もザラザラだ。
いいお天気なのはありがたいのだが、お湿りが欲しいところだ。
梅も散って、水仙や杏の花が咲きそうだ。
目が覚めると曇り空。でも散歩したい。1歩も出ないことになったりするから、そう寒くも無くなったしまあいいか。いつもの夫のおさがりの黒じゃんばーを着て毛糸の帽子をかぶってさあ行ってきます。
案の定ぽつぽつ降ってきました。まあいいか帽子もあるし。
歩き出すと乾いたアスファルトに黒いシミが増えてきた。
ああ匂うなあ、いい匂い、地面のぬれるにおい。
夏のころカンカン照りのあと夕立が来るとやっぱりこのにおいだった。
大きく呼吸してみる、湿った空気は心臓も心もゆったりと癒してくれるようだ。
匂いのおかげで夏休みのことなど思い出す。
そんなこんなで坂道を登っていくとあれー、何か転がっている。
肌色というかピンクというか登るにつれて全容が明らかになった。
でもそうしげしげと観察は無理。
それは春のころ、夏のころ、雨上がりにひょこひょこ出てくる大きなアマガエル。
緑の小型ではなく、茶色の、手のひら大のカエルだった。
車にひかれて伸びていたのだ。
早朝であまり人通りが無く、この道は子供たちの通学路だし、片付けた方がいいと思うものの、見るのも、素手で片付けるのもちょっと無理。
もうしわけないねーと思いつつ見ないようにして素通り。
小一時間歩いて帰り際にはそのことをすっかり忘れてかえってきた。
そういえばあそこにカエルはいなかったからご近所さんがかたずけてくれたらしい。
春らしい朝でした。
今日の気温は20度位まで上がるらしいから、3月お彼岸も近いし春なんだなあ。